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終電車の死美人

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三鷹駅止まりの終電車内で若い女が殺される。捜査にあたるのは、警視庁捜査一課々長阿川以下、長谷川、赤木等担当刑事たち。唯一の手掛かりは、現場に落ちていたロケットの中の男性の写真と有楽町駅発売の三〇〇三番号の乗車券だけであった。先ずは、赤木刑事を中心にロケットの写真の男の行方を追う。一方、長谷川、久保田両刑事は、乗車券の調査を進める。当夜、被害者は中年の男連れで、一旦新宿駅で下車し、構内の喫茶店で多額の現金を取引したことが判明する。また、有楽町駅係員の証言から被害者の後を追うように、三鷹駅行きの切符を買ったもう一人の男の存在が判明する。三〇〇五番切符を買ったその第三の男が加害者である可能性が高い。そんな折、三鷹署に置かれた捜査本部に、ロケットの写真の男が現れる。そして被害者の身許が判明する。湯浅とし子という三星書店の女店員であり、婚約者の丸山が使い込んだ公金の穴埋めするため、多額の金策に奔走していたことが判る。直ちに長谷川刑事は三星書店へと向かい、さらに被害者の友人であるバー・ネストのマダムから証言を得る。とし子が千葉館山の女学生時代に男性との交友関係で過ちがあったことを知り、長谷川は館山へと飛ぶ。赤木刑事たちは、湯浅家でとし子の遺品を整理すると一通の土地権利書が発見される。法務局の調べで、池袋の不動産周旋業の早川が、とし子との取引の間に立っていたことが明らかになる。早川は捜査本部へと連行されるが、早川には事件当夜の確かなアリバイがあった。だが、館山から戻った長谷川刑事の捜査で、早川がかつて女学校の監督官であった頃、生徒のとし子を凌辱して内縁の関係を結んだ事実が判る。また、早川には多額の借金があった。早川は帰宅を許されるが、捜査班は早川の身辺調査のために全力で聞き込みにあたる。無為の日々が流れる中、長谷川の聞き込みで、早川と懇意であるパチンコ屋店員の高野三郎という男が、数日来消息を絶っていることが判明する。色めき立つ捜査陣は、三郎の情婦ユキを連行し、三郎宅を捜査するが、決定的な証拠出てこなかった。そんな中、早川が逃走する。捜査陣は、釣り道楽の三郎が立ち寄ると思われる大森、月島近辺の漁場へと捜査網を拡げる。湯浅とし子殺しの真相とは、負債に苦しむ早川が、金を工面するため土地を売ったとし子の所持金に目をつけ、三郎を誘ってとし子を殺害し、金を奪わせたのだ。そして、その金はいま三郎が持っていた。早川は警察の追及を逃れ、遂に三郎との対面に漕ぎ着ける。だが、三郎は早川に金を渡そうとはしなかった。凄絶な死斗の末、三郎は早川を射殺する。そこへ阿川、長谷川、赤木刑事たちと武装警官隊が急行する。狂った野獣のような三郎の手には、拳銃が握りしめられていた。赤木刑事たちの手にも拳銃があった。そして、薄明の月島三角州でじりじりと包囲網の輪が縮まっていく…。

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